絶縁した大学時代の先輩
はじめまして。つちと申します。

私は8年前に大学を卒業し、東京の広告代理店で働いているOLです。
今日はネットワークビジネスに失敗し、悲しい結果となってしまった方のお話をしようと思います。
Aさんは私の大学のサークル先輩で、とても明るく仕事ができる良い人でした。
私も含め多くの後輩がAさんを慕っていました。
しかし私はAさんとは絶縁状態にありました。
Aさんから執拗なネットワークビジネスの勧誘を受け、信頼できる先輩Bさんに仲介に入ってもらい、Aさんとは縁を切ったのです。
縁を切ってから、当然ですがAさんからの連絡はなく、私もAさんやネットワークビジネスのことはすっかり忘れていました。
同窓会のお知らせ
それを思い出したのは、Aさんと絶縁してから5年後にサークルの同窓会のお知らせが来た時のことです。
久しく会っていない後輩や先輩に会いたい気持ちもありましたが、私は参加するかどうか迷いました。
Aさんと鉢合わせることが怖かったのです。
私はBさんにそれとなくAさんが参加するかどうかを質問しました。
するとそこで衝撃の真実を聞いたのです。
強引な勧誘の末に
Aさんは私と絶縁した後も熱心にネットワークビジネスの勧誘を続けていたそうです。
Aさんがやっていたのはニュースキンの勧誘でしたが、Aさんは私以外のサークルの後輩や、同期、先輩に男女問わず声をかけては断られていたそうです。
中には怒ってAさんをサークルのOB会から外した方がいいと言った人もいたそうです。
そんなことを続けている間に、サークル内にはAさんの誘いを受ける人はいなくなりました。
代によっては、他の同期にAさんのことを注意喚起した人たちもいたそうです。
BさんはもともとAさんととても仲が良かったので、何度もAさんに注意しました。
こんなことを続けていたら、誰も友達がいなくなってしまう、と何度も伝えたそうです。
しかしAさんがネットワークビジネスを辞めることはありませんでした。
高校や中学の知人、小学校のときの友人など考えうる人全てに声をかけては断れ、そのグループから外されるようになっていき…。
そして最終的にAさんがターゲットにしたのは、同じ会社の人でした。
Aさんは元から明るく社交的な人だったので、会社内でも顔が広かったようです。
社内の後輩や同僚、時には先輩にも声をかけていったのです。
しかしAさんのそういった行為が上長に知られ、Aさんは注意を受けます。
ここでこのビジネス自体諦めてしまいそうなものですが、Aさんは諦めませんでした。
次は取引先の方に声をかけるようになったんです。
Aさんの暴走
接待の飲み会や、会議後の食事会など、誰かとちょっと二人きりになれるチャンスがあれば話を振り、プライベートで食事に行くフリをしてネットワークビジネスに勧誘する、というのを繰り返し行うようになりました。
結果、Aさんのこの行為が取引先の役員に知られ、取引が打ち切られてしまい、Aさんは会社を解雇されることになったそうです。
止められなかった理由
会社の同僚や取引先の人を勧誘するなんてリスクが高いことをしてまで、Aさんがビジネスを諦めなかったのか不思議でしたが、Aさんはネットワークビジネスに投資するお金を両親や祖父母から借り、最終的に消費者金融に借金までして工面していたそうです。
Bさんにもお金を貸して欲しいという連絡があったそうですが、その時にはAさんの借金は簡単には返せないような莫大な金額にまで膨れ上がっていました。
そんな莫大な借金があるから、リスクを犯してでもやめるにやめられなかったのです。
しかし会社を解雇されたことで、両親にもAさんがどういう状態になっているかが知られてしまい、Aさんは実家から絶縁されてしまったそうです。
そしてAさんはBさんの連絡にも答えなくなってしまい、今Aさんがどこで何をしているのかを知っている人は一人もいません。
Aさんは本当に明るく優しい、みんなの人気者でした。
何より頭が良くて仕事もできる人で、みんなから信頼されていました。
なので、卒業後は有名な大手企業に就職していましたし、就職後も順調に出世していたようでした。
そんな人が多額の借金を背負ったまま会社を解雇され、実家とも縁を切られるなんて、誰も想像できませんでした。
正しい知識と節度をもって
ネットワークビジネスは、正しい知識と節度を持って取り組めば儲けられるチャンスがあるビジネスなのでしょう。
ただ、多額のお金を投資し、自分の人間関係を切り売りして行うビジネスというのは一歩間違えればこのAさんのような破滅に陥るということをぜひ知っていただきたいです。
これからネットワークビジネスをはじめる方、もう既にはじめている方は今一度、自分のビジネスは節度を持ってやれているのか。誰かを強引に勧誘したり傷つけるようなやり方をしていないのか、振り返ってみてもらえたら幸いです。
コメント