父の闘病、そして声をかけてくれた職場の同僚
はじめまして。つちと申します。

私は8年前に大学を卒業し、東京の広告代理店で働いているOLです。
今日は私が職場の先輩にネットワークビジネスに勧誘されたときのお話をしようと思います。
当時私は社会人になって7年目になったばかりで、結婚し仕事にも慣れて生活も安定していた頃でした。
そんな時父が膵臓癌にかかってしまい、入院することになりました。
幸い手術で癌を摘出することはできましたが、膵臓癌は再発率がとても高い癌です。
私は父のことが心配で、膵臓癌について書かれている本を読んだり、癌サバイバーの方々の集まりにも参加したりして率先して膵臓癌の情報を集めるようにしていました。
そんな時私に声をかけてきてくれたのが職場の同僚でした。
彼の奥様は看護婦で、癌患者の看護もした経験があるとのことで何か相談に乗れるかもしれないと言ってくれたのです。
主治医以外の専門家の話も聞いてみたいと思っていた私には願ってもないお誘いでした。
同僚の正体
私と同僚と奥様は休日に職場近くで待ち合わせをして一緒に食事をしました。
奥様とははじめてお会いしましたが、優しそうなとても可愛らしい人で、私の父の症状や私たち家族の不安をとても親身になって聞いてくれているように見えました。
一通り話を聞いてくれた後、奥様が言いました。
「私、抗がん剤は効果がないと思うの。」
もちろん抗がん剤治療で全ての癌が治るわけではありません。
抗がん剤治療に向いていない癌があることも知っていましたが、効果がないと断言されて少し戸惑ってしまいました。
私の戸惑いをよそに彼女は続けました。
抗がん剤は強い薬なので、患者さんの体自体も痛めつけてしまう。
看護婦として抗がん剤を投与された患者さんを支えてきたが、みんな見ていられないほど苦しんでいて、なのに助かった人はごく一部しかいなかった。
でも患者さんの体を痛めずに癌を治せるすごい商品を見つけたから、ぜひ紹介したい。
そう言って紹介されたのがナチュラリープラスのイズミオという水とスーパールテインというサプリでした。
私は以前社会人になったばかりの頃、同じようなネットワークビジネスの勧誘を受けたことがあったので、すぐにこのナチュラリープラスがネットワークビジネスの会社だろうなと気づきました。
父の命を盾にとった勧誘
彼女曰く、この水は通常の水よりも水素を含んでいて、体に優しく、体が持っている本来の治癒力を戻してくれるとか。そしてこのスーパールテインというサプリと一緒に飲めばどんな病気も治してくれる。実際に医者に匙を投げられた患者さんもこの二つを飲んで元気になれた、ということでした。
私は以前ネットワークビジネスの勧誘で苦い思いをしたことがあったので、この時点でうんざりしていたのが顔に出ていたかと思います。
金額も金額だったのではっきりと断りましたが、なかなか納得してもらえませんでした。
「お父さんの命が大切じゃないの?」
そんなひどい言葉も言われました。
結局夫に連絡してすぐその場に来てもらい、夫から強くお断りしてもらいその場から解放してもらうことができましたが、その後も同僚と職場で顔を合わせる度に「気持ちは変わらないか?」「お父さんを助けたいと思わないか?」「今度もっと詳しい人と会えるように調整するからぜひ話を聞いてみないか?」などとしつこく勧誘され、ただでさえ父のことで気が滅入っていた私はかなり気持ちが落ち込むようになってしまいました。
最終的には上司に相談したことで、同僚が違うチームに異動することとなり私が勧誘されることはなくなりました。
後から調べてわかった事ですが、彼女のような「がんも治る」「どんな病気でも治せる」という言葉は薬事法に触れるため勧誘の際には言ってはならないとナチュラリープラス側でもディストリビューターの方々に通知されていたようでした。
しかし目先の売り上げに目がくらんで、そういった言葉を使って勧誘していたのはおそらく彼女だけではないと思います。
節度を持ったビジネスを
たとえ本当に素晴らしい商品だったとしても、その気がない人に強引に何度も勧めても余計に話を聞く気がなくなります。
それどころか嫌な印象を持ってしまいます。
まして、相手のことを思いやらないような言葉、相手の不安な気持ちや悩みに漬け込むような発言をする人の言葉を誰が聞くのでしょうか?
相手を傷つけて、無理やり商品を購入させて一時的に儲けが出たとしても、周りの人からの信頼や人間関係を失うようなことになりかねません。
そしてそういった勧誘を続けることは、ネットワークビジネス自体の印象を貶める行為です。
これからネットワークビジネスをはじめようと思っている方や既にネットワークビジネスをされている方もこの事をしっかり心にとめてビジネスをして欲しいと思います。
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